最近発売された中学受験小説、『翼の翼』を読みました。
中学受験界隈ではよく読まれているようです。まだ発売されたばかりなのに、本の感想がちらほらと。
もうね、中学受験が題材になっているというだけで、つい手に取ってしまう…。これは、沼にハマっていると言えるのかもしれません。
著者の朝比奈あすかさんご自身も中学受験経験者で、お子さん2人の中学受験を経て書かれたとのこと。
なんでも、中学受験の入試問題によく出題されることに定評のある作家さんなのだそう。他の作品も面白そうです。
本書も、どこかの学校で出題されたりするのでしょうか…。
前編
![](https://0jyuku.com/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/a1493c73d2062688bd4fe156e32882b0.jpg)
後編
![](https://0jyuku.com/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/a1493c73d2062688bd4fe156e32882b0.jpg)
このインタビュー読んだら、読みたくなるよねぇ。
渦中にいる時は書けなかった、熟成させるのに時間がかかったとのこと。
そして、子育て中の親御さんに向けたメッセージも素敵なのです。
まぁ、私は今渦のど真ん中にいるんで、そんなきれいごとは言っていられないですが…。
受験が終わったらなんとでも言えるわー!受験コンサルタントにだってなれるわー!と、思っております。無事に終われば、ですけど…。
ちなみに、登場している塾や学校は、
概念としてのトップ校や塾を書きたいと思っている
そうです。(とはいえ、頭の中では勝手に変換して読んでしまうんですけど。あるあるじゃないでしょうか?)
前置きが長くなりましたが、翼の翼の内容を紹介します。
——- 以下、ややネタバレを含んでしまう可能性あり——
<主な登場人物>
母…地方公立中高出身、専業主婦。ママ友には実は腹黒いよね、と評されるようなタイプ。自分の弱みを見せるのが苦手。夫とは職場結婚。
父…中学受験経験あり。中国に単身赴任中。母と同じく、自分の弱みは見せられないタイプ。学歴コンプレックスあり。
子(翼)…つーちゃん。スイミングの育成コース、公文か学研的なプリント学習教室に通う。全国統一テストをきっかけに、小2からサピックスモチーフの最大手塾に通塾しはじめることに。いい子。
その他…ママ友、毒親風味の義両親、塾の先生などなど。
序盤はPTAがらみのママ友づきあいがメインで、ややだるいな〜と思いながら読み進めていたのですが、後半の盛り上がりとドロドロした展開にあっという間に読み終えてしまいました。
小説自体は中学受験で終わっているのですが、ええ〜、この一家、このあとどうなるのだろう…一応、希望は見えたけれど、何も根本的な解決していないような…? 何なら続編もやって欲しい!と思うほど。
ちょっと、褒めてるんだか貶してるんだかみたいな文面になってしまっていますが、それだけリアリティを感じたということで褒めているつもりです…(語彙力)
一点残念な点としては、この主人公のお母さんにまったくといいほど感情移入できなかった点。
周りからは優しそうなママに見えて、何考えているのかわからない、仲良くしているママ友に対しても、何かにつけて比較し、優劣をつけている主人公。
たしかにこういうタイプの人いるよなぁ、っていうタイプの人なのですが、単に性格悪いだけなのでは?…と思ってしまい、序盤結構しんどかったです。しかも性格に難ありなのは母親だけかと思いきや、父親も義実家も難ありという…。現実世界と照らし合わせれば、そりゃそうか、って感じなのですが。
読み進めていくうちに、主人公も変化しいくのでよかったのですが(あと他の人の狂気の方が目立ってくるので気にならなくなる)あと少しで耐えられず挫折するところでした。自分自身の嫌な部分を主人公に投影してしまったのかもしれません。
まぁ、感情移入できるかどうかは内容の良し悪しには関係がないことなんですけど。
反面、ファミレスで情報交換するシーンなど、ほほう、ママ友づきあいとはこうやってやるものなのか…など、勉強になりました。(って、ママ友付きあいのスキル低すぎだろ自分…)
ちょっとお茶でも、っていうのができないんですよね。かといって、ママ友のお教室に通うなんてさらに無理!まだ、全くの他人と旅行する方がましだと思ってしまうのだけれど、私がおかしいのでしょうか。
私が思うに、男親はママ友づきあいのスキルが高いですよね。より切実に必要としているというか。やれプリントは持って帰ってこない、何も話さないなど、横のつながりで補完している感じがあります。
二月の勝者もそうですが、中学受験を題材にした作品は、予行演習としても、追体験としても、振り返りとしても使えるんですよね。
ついつい、フィクションに対しても熱くなってしまいますが…、まずは自身に集中しなくては。
あと4ヶ月を切ってしまいましたが、子どもが本番で実力を出し切れるよう、最期までサポートしていきたいと思います。
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